掲載日:2019年3月 vol.246
津軽三味線奏者 土生みさおライブ
洋楽器とのセッション
雨女ぶりを発揮して足元の悪いところを…と開演冒頭でのひと言。
2月19日、川口市のライブハウスキャバリーノで開催された、土生のライブに行った。夕方から降り出した春雨のような優しい雨、会場はファンで満席、おじ様と若い女性が多い。すでに津軽三味線全国大会では、大阪大会、東京大会優勝、青森大会では初の女性チャンピオンとして、当時話題を賑わした彼女。
ギター、キーボード、ベース、ドラムのメンバーを控え中央で三味線を抱える土生、シャキッとした姿に細いパンツとブラウスがよく似合う。
まず「十三の砂山」「じょんから旧節」春の予感を感じる「津軽三下り」を聞かせる。曲毎の解説やしゃべりもよどみなく小気味よい。趣向を変えて、馴染みのあるベンチャーズメドレーで会場を盛り上げる。そして、土生のアレンジによる「貝殻節」、洋楽の一人がアレンジした、大好きな「岩室甚句」を熱唱、初めて聞く土生の唄は民謡そのものだった。そして意外や「河内音頭(吉良の仁吉)」まで歌った。更に最後の曲たちと言いつつ、「津軽あいや節」、ペアをを組んでいる高橋孝作曲の「ホーム」を弾く。抒情的で高揚していく曲調、高橋の人となりが表現されている良い曲。思い入れのある「津軽じょんから節」、アンコールに応えて「桜咲く音頭」を歌う。この曲は世界中にいる、日本と日本人が大好きな人たちが、日本人と踊りで繋がることを願って制作されたもの。まさに最後の締めはスティーヴィー・ワンダーの「スーパースティション」。熱演に次ぐ熱演で休憩なしの2時間、曲の順序も会場の雰囲気と気分次第と言いながらも、バランスの良い演目で観客を魅了した。
かって天才少女といわれた彼女の、今に続く不思議な魅力に圧倒された。これからもチャレンジして行くというこの情熱はまだまだ続きそうです。
Comments